(参考文献 「紅茶の世界」荒木安正著 柴田書店)
前回までのお話はいいでしょうか?
中国、日本、英国とお話してきて、今回はロシアです。
1689年「ナルチンスク条約」(どんな内容かは私は知らない)が結ばれてから、中国から輸入された、と本に書いてあります。そして、それは「固形茶」であり、やっぱり貴族階級の飲み物であったということですね。
ロシアといえば、ロシアンティー、サモワールですね。庶民に紅茶が飲まれるようになったのは19世紀の後半のようです。それまでは、貴族階級のものだけだったようです。
で、みなさんから「おいしいロシアンティーの作り方、ジャムは何がいいのか?」というご質問を受けますが、以下のお話を参考になさってくださいませ。
サモワールの使い方なんですが、円筒形の筒が中心に入っていてそこに白樺とか木炭を入れ、その外部に水を入れてお湯を沸かします。お湯を沸かす道具とともに暖房器具の役目もするわけですね。紅茶が普及するまでは「密湯」というものをこれで飲んでいたそうです。
お湯が沸いたら、ポットに茶葉を入れ、その茶葉がひたるくらいのお湯を入れてサモワールの上部に乗せます。こうやって、「エキス」状態で抽出した紅茶にサモワールのお湯を入れて「お湯割り」で飲みます。
という具合ですから、渋くて渋くてとても飲めた代物ではなかったと思われます。
それで、砂糖(サハール)蜂蜜を口に含んでお茶を飲む。もしくは、クッキーやビスケットにジャムをのせて飲む。という、濃く煮出した紅茶の渋みやエグミを緩和させるために考えられたロシア人の「知恵」なんですね。カップの中に直接ジャムを入れるのは、低層階級の人たちの飲み方だそうです。
ですから、どっかのお店で騙されて買ったようなスカスカのセイロンティーでおいしいロシアンティーをつくろうと思ってもあんまりうまくいかないですね。煮出さないで、普通に抽出しても濃く出てしかも渋みもでなくて味がしっかりしたう〜〜〜〜〜ん?夢やのアッサムGFOPやアッサムCTCなどだとおいしく飲めるでしょう!(笑)
このサモワールは「ロシア革命」のときにヨーロッパの方に逃げ出した人たちによって伝えられます。もちろんこれだけじゃなく、「ロシア文化」全てですけど。特に、イラン、イラクあたりは強く影響を受けてるそうです。
あと、旧ソ連邦というのも人間が多いとこだからどっかで紅茶を栽培したんじゃないかと思って調べてみたら・・・。グルジア、アゼルバイジャン、クラスノダールあたりで栽培されてたようです。でも、今はチェルノブイリ原子炉事故やソ連邦解体やその後の内紛や・・・でそれどころではないようです。
ということで、いつものことながら乱暴なまとめ方ですが「紅茶 ロシア編」でした。
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オランダの紅茶
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